人々の尊厳、権利、声に拠って社会を動かし、変える活動=
アドボカシーを広め育み、民主主義の深化へとつなぐ
市民社会(NGO・NPO)のプラットフォーム
あどぼの学校〈あどぼ・してぃずんプロジェクト〉
2015年にはじまった、あどぼの学校(あどぼ・してぃずんプロジェクト)。当初は、アドボカシーに携わる/携わりたい人々の学び合いの場、やがてはその学び合いの成果を生かして、地域を舞台に具体的なアドボカシーの実践をつくりだす活動を、それぞれ、分野や出身のフィールド(地域〜全国〜世界)を超えて進めてきました。その中で、あどぼの各プログラムに参加する人たちから、市民社会によるアドボカシーの現状に対する問題意識から、各分野のアドボカシーの歩みがどのようなものであったかをたどり直し、今後のあり方についてみんなで考え、発信していける場をつくりたい、という希望が寄せられるようになってきました。
そこで、2021年度から4年間にわたり、市民社会各分野のベテランから若手まで約40名ほどのメンバーで「あどぼを紡ぐ研究会」と題した研究会を立ち上げ、前半2年間は「ODA(政府開発援助)・国際協力」「環境」の2分野のアドボカシーの歴史をたどり、後半2年間は「ポストSDGs」と題して、アドボカシーと市民社会の未来を構想することとしました。研究会では毎回、アドボカシー経験豊かな市民社会各分野の担い手による発題や、市民社会各分野の第一線で活躍する研究会メンバーによるディスカッションやワークショップが行われ、研究会としての学びが深められ、メンバー各々によって実践の場へと還元されていくことになります。
あどぼを紡ぐ研究会への参加は、その性格上、研究会メンバーからの招待のみとしています(一部、公開プログラムあり)。ですが、研究会の発題の一部や、研究会の成果としての取りまとめを終えたものから、一般公開させていただきます。ぜひ、市民社会各分野でのアドボカシーの学びと実践に向けてご活用ください。
あどぼを紡ぐ研究会・趣旨と目的
(加藤良太/あどぼの学校 運営委員)
あどぼを紡ぐ研究会2021
第1回(2021/11/27)より
(視聴時間 12:34)
2021年度「ODA・国際協力分野のアドボカシー」
1.今年度研究会の概要(第6回(2022/3/19)より)
[発 題]加藤良太(市民社会スペースNGOアクションネットワーク(NANCiS)コーディネーター、環境市民 理事)
神田浩史(泉京・垂井 副代表理事)
(視聴時間 19:05)
※2021度研究会全回の内容をまとめて振り返り、それぞれの発題や議論の主要なポイントを挙げます。
2.ODAアドボカシーの系譜(第1回(2021/11/27)より)
[発 題]神田浩史(泉京・垂井 副代表理事)
(視聴時間 29:50)
<キーワード> 運動の系譜をたどる
ODAアドボカシーが、どのような社会状況の下、誰が、どのように展開してきたか。主に1980年代から2000年ごろまでの系譜をたどり、現在展開されている様々な分野のアドボカシー活動と対比しながら考える。
3.ODAの70年から考える「公」「豊かさ」「格差」
~必要なのは「援助」なのか?(第2回(2021/12/11)より)
[発 題]大橋正明(放送大学 客員教授、SDGs市民社会ネットワーク 共同代表理事)
大橋成子(元・アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長)
神田浩史(泉京・垂井 副代表理事)
(視聴時間 1:16:48)
<キーワード> 援助を問う、パターナリズム、援助の思想
ODAは「途上国」を「援助」するためなのか?「援助」とはそもそも何か?アジアの人びとが求めていたものは「援助」だったのか?生きづらさを抱える人びとが大勢いることは確かな事実である。しかし、その人びとと私たちはどのように接し、問題を捉え、変革を促していけるのか? ODAをめぐる議論を切り口に「生きづらさ」と立ち向かう今後の市民社会のあり方を考える。
4.人なき制度に意味はあるのか?
~"People First"の系譜(第3回(2022/1/15)より)
[発 題]熊岡路矢(日本映画大学 特任教授、日本国際ボランティアセンター(JVC)顧問)
神田浩史(泉京・垂井 副代表理事)
(視聴時間 1:12:31)
<キーワード> People
「福祉国家」を標榜した戦後日本社会。様々な社会保障をめぐる制度がつくられて来たが、その入れ物に魂は宿っているのか? 国際的に見ると、「良かれ」と思って、対象者の顔を見ることもなく進められたODA事業が返って多くの不幸をもたらしたケースがいくつも報告されてきた。政府がその強大な力を動かすと大きなインパクトを生み出しうる。それはどのように制御していくべきなのか? 事例を軸に影響される人びとを中心に据えた社会政策の作り方、運用の仕方を考える。
5.あらゆる政策は“人権を基本”に(第4回(2022/2/19)より)
[発 題]川村暁雄(元・メーファールアン大学 教員)
伊与田昌慶(国際環境NGO 350.org Japan)
(視聴時間 1:29:06)
<キーワード> 人権
“Rights-based Approach”あらゆる政策は“人権を基本”に、が世界の常識となっている中、日本の政策では、そこがきちんと貫かれているのか?ODAだけでなく、市民社会においてもそこが共有されているのか、についても検証していく。加えて、気候変動や環境問題も人権課題として認識されてきている背景についても切り込んでいく。
6.ODAをその源流から見直してみると(第5回(2022/3/5)より)
[発 題]内海愛子(恵泉女学園大学 名誉教授)
神田浩史(泉京・垂井 副代表理事)
[発 言]大橋成子(元・アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長)
[聞き手]野川未央(ALPA理事・事務局長)
[進 行]花崎晶(八王子市民の学校まなび・つなぐ広場)
(視聴時間 2:27:01)
<キーワード> 戦争責任、戦時賠償、ODAの源流
戦後補償からODAレジームに移り変わっていくことで外交戦略的に作られた日本の国家としての「途上国」、特に東南アジアとの関係性。そこでつくられた関係性は果たして公正なものといえるものだったのか?市民活動はこの時代をどのように批判的に捉え、是正するために政府と相対してきたのか?
現代の議論の土台となっていったアドボカシーの系譜を話題提供者から学んだ上で、今後の市民社会が目指していく民際社会のあり方を考える。
2022年度「環境分野のアドボカシー」
1.環境問題を根幹からとらえる(第1回(2022/10/1)より)
[発 題]杦本育生(環境市民 代表理事)
(視聴時間 〇〇:〇〇)
日本の環境市民活動とアドボカシーの歩みを回顧するとともに、発題者の活動の特色である「地域の課題を基点に全国でネットワークして取り組む」「グローバルな市民活動のつながり で取り組む」「『権力』との距離感(緊張感ある対話と協働)」について、その考え方と実践を語る。また、アドボカシーやその要素を含む環境市民活動をしようとすれば直面する、事業性と活動・運動であることとのバランスや葛藤、また、国家や資本など大きな権力と「対峙」していく上での「心がまえ」や「知恵」についても、考えを聞く。
2.ミナマタから気候変動まで 〜気候ネットワーク代表・浅岡美恵さんにきく(第3回(2022/11/12)より)
[発 題]浅岡美恵(気候ネットワーク 代表、弁護士)
(視聴時間 〇〇:〇〇)
薬害スモン訴訟や水俣病訴訟など公害問題を起点に、環境問題に取り組む法律家として、また、現在の気候変動問題への取り組みに至るまで日本を代表する環境市民活動家として活動してきた発題者が、自身の活動の来歴と共に、日本の現代環境市民活動(戦後〜2000年前後)と、そこに携わった人々の歩みを語る。また、権力と対峙しつつも、したたかに社会の流れを変え、法制度や政策にアプローチしてきた発題者が、そこから得た教訓を具体例を交えながら語る。
3.過剰開発・国家による強権的な開発とそれに立ち向かう人々(第4回(2022/12/3)より)
[発 題]大野和興(アジア農民交流センター、農業ジャーナリスト)
伊藤文美(自給農園ミルパ)
(視聴時間 〇〇:〇〇)
政府により一方的、強権的に成田空港を押しつけられた千葉県・三里塚の農民たち。激しい反対運動の中で、農民たち自身も傷つき、対立や分裂をも余儀なくされた。国家による強権的な開発に立ち向かった三里塚の農民たちが、その先に展望した地域・社会・未来はどのようなものだったのか。三里塚の農民運動に詳しく、農民たちが構想した活動のその後を引き継ぐ発題者2人が語る。
4.熱帯林・森林破壊、資源収奪 〜対抗するための調査力・交渉力(第5回(2022/12/17)より)
[発 題]西岡良夫(ウータン・森と生活を考える会)
(視聴時間 〇〇:〇〇)
ウータン・森と生活を考える会は、1988年に設立された老舗NGOである。代表の西岡は若い頃、マレーシアで森林破壊の現場を目撃し、以降、現場に赴いて調査をし、調査結果をもとに活動を展開。企業や行政などへの直接交渉の経験も豊富で、多くの成果を挙げてきた。また、ウータンは、NPO法人格が登場し、多くの団体が法人化・専従化を志向する中、あえてボランタリーな団体運営を続けながら、現在も活発に活動し、多くの団体の悩みでもある「世代交代」にもチャレンジしてきた。そうした立場から、市民団体のこれからに向けた組織のあり方にも触れる。
5.『水・食・エネルギー』から考える、暮らし・地域・世界の動かし方
〜藤井絢子さん(菜の花プロジェクトネットワーク元代表)にきく〜(第6回(2023/1/14)より)
[発 題]藤井絢子(菜の花プロジェクトネットワーク 元代表)
(視聴時間 〇〇:〇〇)
琵琶湖を擁する滋賀県で、長年、暮らしの現場に根ざしつつ、地域〜世界で循環・共生型社会を目指す動きをつくってきた発題者が、自身の活動のキーとして挙げる「水・食・エネルギー」に着目しながら、暮らしの現場(生活・なりわい)に根ざしつつ、地域〜世界を変えていく動き・流れをいかにつくりだしていけるのか、実例を交えながら語る。また、発題者は長い活動歴の中で、自身が生み出した活動・ネットワークを潔く手放し、次世代や他地域の人たちに惜しみなく「開放」し、自身は次の活動のステージに進んできた。その活動継承や新陳代謝のコツも語る。
6.グローバルな視点から日本社会とNGOを見つめて(第7回(2023/2/4)より)
[発 題]岩崎駿介(元日本国際ボランティアセンター、元市民フォーラム2001)
(本回は都合により、動画の提供はありません)
リオの地球サミット(1992)に日本のNGOが参加し、成果を実現するために組織された「ブラジル市民会議」や「市民フォーラム2001」などに関わり、常にグローバルな視点から日本の社会を問い直してこられた発題者に、市民社会やアドボカシーのこれからに向けての考えを聞く。
7.環境市民活動とアドボカシーの未来に向けて(第8回(2023/2/25)より)
[発 題]田中滋(アジア太平洋資料センター)
(視聴時間 〇〇:〇〇)
2022年度研究会を振り返り、そこで語られたこれまでの環境市民活動のアドボカシーの類型化を試みる。それを受けて、2022年度研究会では語りきれなかった環境市民活動についての議論を重ね、来年度以降の展開につなげていく。
2023〜24年度「ポストSDGs時代のアドボカシーと市民社会を考える」
ポストSDGs時代(2030年以降)のアドボカシーと市民社会
に向けた人々と市民社会による宣言(仮)