人々の尊厳、権利、声に拠って社会を動かし、変える活動=
アドボカシーを広め育み、民主主義の深化へとつなぐ
市民社会(NGO・NPO)のプラットフォーム
あどぼの学校〈あどぼ・してぃずんプロジェクト〉
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活動内容
あどぼの学校
全ての始まりは2014年の年末。その頃に行われた総選挙の結果を受けて、日本の民主主義の行く末に危機感を覚えたNGO関係者3人と新聞記者1人が京都で急遽集まりました。そこで、ただのロビイングではない、人々の側からアドボカシーに取り組み、それを通じて民主主義の深化に取り組む人たちを育む場=アドボカシー・スクールを立ち上げようと意気投合。年末年始に構想をまとめ、思いがけず資金調達にも成功したことから準備を本格化し、あどぼの学校の第1期が2015年秋に京都で開講しました。
あどぼの学校の特色は、単に一方的な教養やノウハウ伝授の場ではないということです。それぞれが実践の場に立つ(あるいは立つことを望む)参加者、発題者、運営者が各々のアドボカシーの経験や模索を出し合い、互いに検討・議論を重ねて教訓を導き出し、それを「言語化・体系化」していくことで、さらに多くの担い手に先達たちの経験や教訓を広め、生かし、用いてもらうことを目指しています。さらに、単なる学びの場というだけではなく、講座を通じて、活動分野や地域を超えたアドボカシーの担い手やそれを目指す人たちが互いに出会い、つながり合うきっかけの場ともなっています。
あどぼの学校はこれまで、京都、岐阜、名古屋、オンラインで開講し、現地の団体の協力を得て札幌、福岡で出前講座を行いましたが、それぞれの地域で開講するごとに、それぞれの地域の特色ある「草の根アドボカシー」の事例や担い手と出会い、さらにあどぼの学校は豊かな学びと共有の場となっています。また、名古屋での講座開講をきっかけに、地域や社会の課題への取り組みやアドボカシーに向けた導入ツールとして、ボードゲーム形式の「あどぼのスゴロク」が開発されています。
これからも、あどぼの学校はさまざまな隔てを越えて、地域の草の根でがんばるみなさんにアドボカシーを通じた出会いと学び合いの場をつくり、アドボカシーを通じて人々と地域の自治や民主主義を育む取り組みを進めていきます。
全てはこのSNS投稿から始まった
(右上)あどぼの学校の様子
(左下)あどぼのスゴロクの様子
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地域におけるアドボカシー実践とモデル化
市民社会と自治体議員の対話(京都市)
まちあるきの途中、中山道垂井宿の
元旅籠にて(岐阜県垂井町)
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あどぼの学校に集った私たちは次に、そこで学んだアドボカシーの経験や教訓を生かして、具体的にアドボカシーの新たな先行事例を作れないかと考えました。とりわけ日本では、国際的なものや全国的なものに比べ、地域に根ざしたアドボカシーの事例が少ない/あまり知られていないこともあり、地域に根ざしたアドボカシーの先行事例を実際に行うことで「ローカル・アドボカシー・モデル」(一定のモデル化した方法論というより、もっと柔軟な経験と教訓の集積群といったイメージですが)をつくり、それを全国各地で導入可能なモデルにしていこうと考えました。
現時点で「大都市型」と「中小自治体(ムラ)型」の実践が始まっており、大都市型は、京都市でNGO・NPOが、従来の「行政との協働」を超えた市政参画のあり方を目指し、あるいは、大都市の中で一人ひとりの住民と市政の距離が離れてしまう「遠い自治」を解消するために、複数分野のNGO・NPO関係者が共同で自治体議員との対話や行財政に関する研究発信等を進めています。また、中小自治体(ムラ)型は、岐阜県不破郡垂井町で、明治維新以前から日本の地域社会に根ざす基層の自治の経験と、国際協力やまちづくり分野で培われた現代の住民参加の手法を結び、さらにそれをアドボカシーの考え方でブラッシュアップすることで、地域に根ざしつつ世界につながり、持続可能な自治と発展のあり方=穏豊(おんぽう)社会の実現に向けた取り組みとその体系化を進めています。
2つの事例とも発展途上で、試行錯誤しつつ発信していくことになりますが、ぜひご注目いただき、かつ、ご一緒に取り組んでくださる第3、第4の地域のみなさまが手を挙げてくださることを、心からお待ちしています。
全国規模のアドボカシー・プラットフォームの構築
アドボカシーの学びと共有の場である「あどぼの学校」、地域に具体的にアドボカシーの動きを作り出す「ローカル・アドボカシー・モデル」の活動を通じて、関西・中部だけでなく、全国各地でこうした取り組みをやってみたい、全国の仲間とつながっていきたい、というお声をいただくようになりました。そこで、2020年3月14日に京都で「あどぼの全国プラットフォーム会議」を初めて開催。この会議を起点に、具体的にアドボカシーに取り組む仲間をつなぐ全国プラットフォーム「あどぼの全国プラットフォーム」をつくり、機能させていくことになりました。
あどぼの全国プラットフォームでは、全国各地に「あどぼの学校」「ローカル・アドボカシー・モデル」を通じてアドボカシーという活動を広げていくとともに、全国各地の担い手がそれぞれ個性豊かに活動しつつも、深いところで互いに手を取り合りあい、学び合い、励まし合う「草の根のアドボカシー・ネットワーク」を形作っていきます。また、各地の「自由学校」など、あどぼの学校以前から取り組まれている各地の市民主体の学びの場との連携や、日本のアドボカシーの萌芽にあたる、市民運動・社会運動の先達たちの言行、思想、精神などを聞き取り、まとめてアーカイブ化し、これからのアドボカシーや市民社会のあり方を考えるための資源とするため、2021年度から研究会「あどぼを紡ぐ」を立ち上げ、市民社会各分野の若手・中堅メンバーと共に研究を進めています。研究会の成果は随時、本ウェブサイト等で公開していく予定です。
あどぼの全国プラットフォーム会議
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