人々の尊厳、権利、声に拠って社会を動かし、変える活動=
アドボカシーを広め育み、民主主義の深化へとつなぐ
市民社会(NGO・NPO)のプラットフォーム
あどぼの学校〈あどぼ・してぃずんプロジェクト〉
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「あどぼ」とは?
「あどぼ」とはアドボカシーのこと。語義的には「代言・代弁」「弁護・擁護」「政策提言」など幅のある意味をもち、また、NGO・NPOだけでなく、福祉や広告・マーケティングなど、多様な分野で用いられる言葉ですが、私たちは市民社会(NGO・NPO、市民活動、ボランティア活動など、市民が自発的に取り組む社会活動やその団体・運動体を包括的に指す言葉)の活動としてのアドボカシーの普及と促進に取り組んでいます。
世界的には市民社会にとってアドボカシーはなくてはならない活動とされるのですが、なぜか、日本の市民社会には定着しないと言われてきました。しかし、その現状は少しずつ変わりつつあります。1990年代半ばから、世界の市民社会と交流の深い国際協力、地球環境、平和・人権などの分野や、NPO法や寄付税制など日本に市民社会を根づかせる法律や社会の仕組みをつくる分野などで、アドボカシーの経験と実績を積んできました。こうした活動は当初、国際的なものや全国的なものが中心でしたが、アドボカシーの経験や教訓の蓄積が少しずつ、全国各地の地域に根ざした活動にも広まり、活かされつつあります。
国際協力NGOと外務省の政策対話
アドボカシーは多義的
市民社会と自治体議員の対話
一方、しばしばアドボカシーはイコール「政策提言」と訳されることがあります。アドボカシーという活動の「国や自治体に対し、新たな政策の実現を働きかける」という側面が強く目立つためだと思いますが、上の語義的な意味の幅広さからもわかるように、本来は「人々(民衆、市民)の生活の現場からの声や視点に立って社会変革を目指す」「新たな法律・制度・政策の実現だけでなく、それらが作られ、実施されるプロセス(政治過程、政策過程)から公開と参加、透明性のあるものに作り変えていく」「社会課題の解決だけでなく、その中で弱い立場に置かれた人々の権利や尊厳の回復・実現をもめざす」など、広がりと深みのある活動です。また、上記に掲げられた目標は、市民社会の存在意義そのものでもあります。それゆえに、私たちはあえてアドボカシーをシンプルにせず、その広がりと深みのままに伝え、広げていきたいと考えています。
そして、こうしたアドボカシーが人々の生活や地域に根ざして行われるとき、それは単に一つの活動や目的にとどまらず、人々や地域の自治と民主主義を育む場や機会ともなります。アドボカシーを展開していく活動のプロセスそのものが、直接/参加民主主義の要素を含んだ政治参加のプロセスに重なるわけです。代表民主主義の伝統と安定の良さは生かしながら、人々の対話と参加による「直接民主的アプローチ」で活性化された民主主義、別の言い方をすれば「民主主義の深化」に向けた触媒としても、アドボカシーは大きな価値をもっています。(このあたりは、昨今話題のコミュニティ・オーガナイジングやミュニシパリズムの関心や取り組みとも重なり合う部分が大きいと思われます。)
こうしたアドボカシーという活動を地域に、全国に広げたい、担い手を増やしたいという思いで、私たちは2015年、京都でアドボカシーの学びの場「あどぼの学校」を立ち上げました。以来、京都・岐阜・名古屋の市民社会有志の活動として、さらに全国に仲間を求めて、活動も学びの場としての「学校」から、具体的に各地にアドボカシーの動きを作り出す活動や、全国のアドボカシーに取り組む仲間をつなぐプラットフォームづくりにも取り組む「あどぼ・してぃずんプロジェクト」へと進展してきました。
私たちはこれからも、アドボカシーという活動の豊かさを伝え、地域に根ざした担い手や取り組みを作り出していくとともに、全国の担い手が個性豊かに活動しつつも、深いところで互いに手を取り合りあい、学び合い、励まし合う「草の根のアドボカシー・ネットワーク」を形づくり、機能させていきたいと思います。これをお読みのみなさまにもぜひ、仲間になっていただきたいと思っています。あどぼの学校、そして、あどぼ・してぃずんプロジェクトのこれからに、ぜひご関心とご参加をいただければ幸いです。
あどぼ・してぃずんプロジェクト(あどぼの学校)